2018年8月のマリオットとSPG統合により、新しいトラベルパッケージが発表されました。
トラベルパッケージとは、ホテル7泊とエアマイルを同時にポイント交換すると、通常よりも必要ポイントが少なくて済む、ポイント交換制度です。
新しいトラベルパッケージの内容、これまでトラベルパッケージとの比較、変更点、改善点、改悪点などを徹底解説しました。
この記事の目次
統合後のトラベルパッケージ変更点
旧トラベルパッケージは、航空会社によって付与マイル数が異なり、5つのパッケージプラン&4つのマイル数プランから選ぶことができました。またマリオット系とリッツ・カールトン系のブランドのホテルしか選ぶことができず、SPG系ホテルは対象外でした。
2018年8月からは、よりシンプルなプランへと変更になります。
- 50,000マイルと100,000マイルの2プラン
- マリオットグループのカテゴリー統一
- 航空会社の付与マイル数統一(ユナイテッド航空のみボーナス有)
新トラベルパッケージは、SPG系ホテルも選べるようになり、航空会社によって異なっていた獲得マイル数に差はなく(ユナイテッド航空のみ10%ボーナス有)、50,000マイルと100,000マイルのみ、選べるようになりました。
新マリオット トラベルパッケージ
マリオットトラベルパッケージの必要ポイントは上の画像の通りです。ユナイテッド航空の場合は、+10%のボーナスマイルが貰えます。
新カテゴリーの通常期のポイント、ポイントで7連泊した場合の必要ポイント、トラベルパッケージの必要ポイントを表にしました↓
<新トラベルパッケージ:ホテル+エアマイルパッケージ>
新カテゴリー | 通常期ポイント/泊 | 7泊のみ | 5万マイル+7泊 | 10万マイル+7泊 |
1〜4 | 25,000 | 150,000 | 255,000 | 330,000 |
5 | 35,000 | 220,000 | 315,000 | 390,000 |
6 | 50,000 | 300,000 | 435,000 | 510,000 |
7 | 60,000 | 360,000 | 495,000 | 570,000 |
8 | 85,000 | 510,000 | 675,000 | 750,000 |
次に、トラベルパッケージは、ホテルとマイルを別々に予約するよりも、どのくらいお得かシュミレーションしてみましょう。
新カテゴリー4の無料宿泊は、通常期で25,000/泊ポイントです。ポイントで4連泊した場合1泊無料になりますから、7泊の滞在に必要なポイントは25,000☓6=150,000ポイントです。
また60,000ポイント=12,500マイルで移行できますから、5万マイルまたは10万マイルに単体で交換する場合の必要ポイントは、次のようになります。
50,000マイル=120,000ポイント、100,000マイル=240,000ポイント
つまり、新カテゴリー4のホテルとマイルを別々に予約した場合、
- 50,000マイル+新カテゴリー4☓7泊=270,000ポイント・・・トラベルパッケージの方が15,000ポイント得!
- 100,000マイル+新カテゴリー4☓7泊=390,000ポイント・・・トラベルパッケージの方が60,000ポイント得!
という計算になります。
このことから、新カテゴリー4のホテル(通常期、繁忙期)を選ぶ場合、トラベルパッケージのお得感はありますが、新カテゴリー3以下を選ぶ場合は、ほとんど差はないかマイナスになるので、交換前に計算をして確認したほうが良さそうです。
旧マリオット トラベルパッケージ
2018年7月31日までのマリオットトラベルパッケージの必要ポイントは上の画像の通りです。
また旧カテゴリーの通常期のポイント、ポイントで7連泊した場合の必要ポイント、トラベルパッケージの必要ポイントを表にしました↓「ホテル+エアマイルパッケージ1」の場合です。
<旧トラベルパッケージ:ホテル+エアマイルパッケージ1の場合>
カテゴリー | 基本ポイント/泊 | 7泊のみ | 5万マイル+7泊 | 10万マイル+7泊 |
1〜5 | 25,000 | 150,000 | 200,000 | 250,000 |
6 | 30,000 | 180,000 | 230,000 | 280,000 |
7 | 35,000 | 210,000 | 260,000 | 310,000 |
8 | 40,000 | 240,000 | 290,000 | 330,000 |
9 | 45,000 | 270,000 | 320,000 | 360,000 |
旧カテゴリー5のホテル7泊と10万マイルを別々に交換した場合、390,000ポイント必要ですが、トラベルパッケージの場合250,000マイルで済み、140,000ポイントもお得なことが分かります。
マリオットやSPGユーザーにトラベルパッケージが人気だった理由は、ここにあります。今までがおトクすぎましたね。
トラベルパッケージ統合後と統合前を比較
統合前と統合後のトラベルパッケージを比較してみましょう。統合前と統合後の「通常期」の必要ポイントを照らし合わせてみると、次のカテゴリー間が一致しました。
- 旧カテゴリー1=新カテゴリー1(通常ポイント7,500/泊)
- 旧カテゴリー5=新カテゴリー4(通常ポイント25,000/泊)
- 旧カテゴリー7=新カテゴリー5(通常ポイント35,000/泊)
- 旧ティア3=新カテゴリー6(通常ポイント50,000/泊)
- 旧ティア4=新カテゴリー7(通常ポイント60,000/泊)
「ティア」というのは、リッツ・カールトンのカテゴリーランクを表します。
1,ブリティッシュエアウェイズ、アメリカン航空など
旧マリオットトラベルパッケージ「ホテル+エアマイルパッケージ1」(ブリティッシュ・エアウェイズなど)と、新マリオットパッケージの必要ポイント比較表です。
<5万マイル>
カテゴリー(旧/新) | 旧必要ポイント | 新必要ポイント | ポイント差 |
1/1 | 200,000 | 255,000 | +55,000 |
5/4 | 200,000 | 255,000 | +55,000 |
7/5 | 260,000 | 315,000 | +55,000 |
ティア3/6 | 350,000 | 435,000 | +85,000 |
ティア4/7 | 470,000 | 495,000 | +25,000 |
<10万マイル>
カテゴリー(旧/新) | 旧必要ポイント | 新必要ポイント | ポイント差 |
1/1 | 250,000 | 330,000 | +80,000 |
5/4 | 250,000 | 330,000 | +80,000 |
7/5 | 310,000 | 390,000 | +80,000 |
ティア3/6 | 400,000 | 510,000 | +110,000 |
ティア4/7 | 520,000 | 570,000 | +50,000 |
全体的に必要ポイントが25,000〜85,000ポイントも多くなってしまいました。
2,ANA・JALなど
<5万マイル>
カテゴリー(旧/新) | 旧必要ポイント | 新必要ポイント | ポイント差 |
1/1 | 220,000 | 255,000 | +35,000 |
5/4 | 220,000 | 255,000 | +35,000 |
7/5 | 280,000 | 315,000 | +35,000 |
ティア3/6 | 370,000 | 435,000 | +65,000 |
ティア4/7 | 490,000 | 495,000 | +5,000 |
旧マリオットトラベルパッケージ「ホテル+エアマイルパッケージ2」(ANA、JALなど)と、新マリオットパッケージの必要ポイント比較表です。
上の表を見る限り、ティア4/カテゴリー7のみ、大きな差はないですが、それ以外は改悪と言えるでしょう。
3,1マイルあたりに必要なポイントで比較
トラベルパッケージの必要ポイント(旧カテゴリー1〜5 vs 新カテゴリー1〜4)を、獲得できるマイル数で割り算します。この比較では、1マイルあたりに、何ポイント必要かを示すことにより、お得指数が分かります。もちろん、値が低いほうが良いです。
<旧トラベルパッケージ:ホテル+エアマイルパッケージ1と2の場合>
ブリティッシュ・エアウェイズなど | ANA・JALなど | |
必要ポイント | 270,000 | 270,000 |
獲得マイレージ | 120,000 | 85,000 |
1マイル当たりに必要なポイント | 2.25 | 3.18 |
<新トラベルパッケージ:ホテル+エアマイルパッケージの場合>
5万マイル+7泊 | 10万+7泊 | |
必要ポイント | 255,000 | 330,000 |
獲得マイレージ | 50,000 | 100,000 |
1マイル当たりに必要なポイント | 5.1 | 3.3 |
表の比較から、旧トラベルパッケージのブリティッシュエアウェイズの(7泊+12万マイル)が一番お得であることが分かります。ANAとJALのトラベルパッケージは、新旧大きな差はなく、若干悪くなっただけと言えるでしょう。新トラベルパッケージの5万マイル+7泊のプランは、他の数値に比べて割高なので、利用価値はあまり無いでしょう。
トラベルパッケージの改善・改悪ポイント
これまでの比較を見ても分かる通り、2018年8月の統合で、トラベルパッケージは「改悪した」と言わざる終えません。
一方で、「改善した」パターンもあるので、みてみましょう。
SPGハイクラス宿の必要ポイントが改善
SPGは、旧SPGカテゴリー3と旧SPGカテゴリー4のホテルのみ、5泊+5万マイルとポイントを交換する「SPGナイト&フライト」というポイント交換コースを用意していました。
旧SPGカテゴリー3:5泊+5万マイル=180,000ポイント(60,000スターポイント)
旧SPGカテゴリー4:5泊+5万マイル=210,000ポイント(70,000スターポイント)
新トラベルパッケージは、最低でも255,000ポイント必要ですから、上記に比べ、多くのポイントが必要になります。
一方で、ホテルによっては、必要ポイントが改善されます。
旧SPGカテゴリー3・4以外のホテルでは利用できかなかった「SPGナイト&フライト」が、統合により「トラベルパッケージ」として交換・移行できるようになります。この関係で「SPGのハイクラスホテル☓統合の際にカテゴリーが引き下げされたホテル」という条件では、新トラベルパッケージが有利になります。
例えば、台北のWホテル。統合でカテゴリーが6に引き下げられました。
これまで「SPGナイト&フライト」が利用できないホテルでしたので、7泊+10万マイルをそれぞれポイントから交換した場合、宿泊に360,000ポイント、10万マイルに240,000ポイントの合計600,000ポイントが必要でした。
これが新トラベルパッケージでは、510,000ポイントで済むので、統合により90,000ポイントもお得になりました。
リッツカールトンの必要ポイントが改善
もう一つ、必要ポイントが引き下げられた施設があります。それは「リッツカールトン☓統合の際にカテゴリーが引き下げされたホテル」を選択する場合です。
例えば、海南島のゴルフリゾートが楽しめる「リッツカールトン 海口」。統合によりティア1から、カテゴリー4へと変更になりました。
7泊+10万マイルの新旧トラベルパッケージで比較した場合、旧400,000ポイントから新330,000ポイントと、70,000ポイントもお得になりました。
リッツカールトングループのホテルで、新カテゴリーが4または5のホテルをチョイスする場合、改善したと言えます。
対象ホテルが増えるのはメリット
既にトラベルパッケージに申込をしていてサーティフィケートを持っている方は、合併により、SPGのホテルが対象ホテルに加わり、カテゴリー引き下げのホテルもあることから、選択できるホテルが増えます。(逆に引き上げのホテルもありますが・・・)
ホテルの選択肢が増えたので、私もワクワク悩んでいるところです。
8月の統合前にしておくこと
今回のマリオット統合で全体的にポイント消費が多くなるので、トラベルパッケージを利用している方で既にポイントをお持ちの方は、統合前にトラベルパッケージの申込をし、ホテルも予約しておくのが無難でしょう。特にカテゴリーが引き上げられるマリオット系ホテルは、統合前の予約が必須ですね。
先に説明した通り、リッツ・カールトンの新カテゴリ4のホテルを選ぶ場合は、統合後のトラベルパッケージのほうが条件が良いと言えます。
未使用のサーティフィケートについて
私も未使用のサーティフィケートがあるのですが、これについて下記のような発表がありました。
8月より、未交換のサーティフィケートはすべて、カテゴリーベースから統合された新しい特典交換表に示されたポイントベースの値に更新され、新しいサーティフィケートに表示されたポイント値を上限としてリワードまたはSPGホテルでの滞在に使用できます。
上記の発表を解釈すると、私のサーティフィケートは旧カテゴリー1〜5のものなので、新カテゴリー1〜4に利用できるものに更新されそうです。
まとめ|全体的に改悪、繁忙期の予約は使える
マリオットとSPG統合で、トラベルパッケージの大部分が改悪となってしまいます。個人的には、これまでのトラベルパッケージがお得すぎたので、許容できる範囲の変更でした。
しかし、ほとんどのシュチュエーションで必要ポイントが増えてしまいますので、既にポイントを持っている方は、トラベルパッケージの申込を統合前に済ませてしまうのが良いでしょう。
今回の記事では、通常期を元に色々なパターンをシュミレーションをしましたが、新プログラムでは、通常期のほかに「繁忙期、閑散期」のポイント設定があります。
繁忙期は無料宿泊に必要なポイントが大幅に増えるので、ホテルとマイルを別々に交換するよりも、トラベルパッケージを利用したほうが有利になる機会がありそうです。逆に閑散期の利用価値は低いと言えるでしょう。
私は旧トラベルパッケージで高めに設定されていたリッツ・カールトンの必要ポイントが減額となったので、リッツに7泊したいなーと企んでいるところです(笑)「ビジネスクラス+リッツカールトン7泊8日の旅」・・・ワクワクします!トラベルパッケージは旅を本当に上質なものにしてくれますね。